Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうえいふんか
宝永噴火
岡本 かの子
Lesen Sie 宝永噴火 (ほうえいふんか) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.505 Zeichen · 62 Bildschirme
それが、しつこくうるさいので、見物のなかでたしなめた者があったのを、相手欲しやの酔いどれ士は、忽ち目くじら立てて立ち上り、掴みかかろうとする。それを宥める者、よき機会と撲ち伏せて先程からの不愉快の腹癒せをしようとする者、中間に立って取鎮めようとする者、騒ぎは輪を拡げて大きくなった。もとより芝居小屋の建物は俄作りの仮普請で、その騒動を持ち堪え切れる筈はなく、二階から先にずり落ちた。佐兵衛の娘は、丁度慧鶴の側へ、二階と一緒に落ちて来て、気を失った。その後は場内上を下への大混乱となって芝居はめちゃめちゃとなった。
慧鶴がどうして、この咄嗟に佐兵衛の娘を抱え出し、畦の草むらで息を吹き返えすよう骨折ってしまったのか慧鶴自身にも、その動機ははっきりしなかった。ただ自分の近くに墜落した女の失心に愕いて反射的にこういう働きをしてしまったと解釈するのが至当ではあるまいか。幸い娘の行衛を心配して探しに来た母親や伴の者とめぐり合ったので、慧鶴は無事に娘をそれ等の手に引渡した。そしてこの事件が縁故で、慧鶴は橘屋へ出入りするようになった。
この話は、白隠の伝記の正史にはない。