Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ほうえいふんか

宝永噴火

岡本 かの子

Lesen Sie 宝永噴火 (ほうえいふんか) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.505 Zeichen · 62 Bildschirme

Aozora Bunko

今の世の中に、こういうことに異様な心響を覚え、飽かずその意識の何物たるかに探り入り、呆然自失のような生涯を送りつつあるのは、私一人であろうか。たぶん私一人であろう。確とそうならば、これは是非書き遺して置き度い。書くことによってせめて、共鳴者を、私のほか一人でも増して置き度い。寂しいが私はこれ以上は望むまい。

こういう序文が附加えられて、一冊の白隠伝の草稿が無理にわたくしの手許に預けられてある。それは隣のS夫人が書いたものだ。

夫人は娘時代に禅をすこしやったということだが、今は夫もあり子もあり、幸福な家庭の主婦と見られている。その上、世間にも社交夫人として華々しく打って出ている。

それは兎に角として、この草稿を「何故、自分の手許に置かれないのですか」と私が訊くと、「手許に置いとくとまた釣り込まれそうなので危くて危くて」という。そう言いながらS夫人は時々来て、頁を繰っている。私はしばらく勝手にさせて置いたが、ふと好奇心が湧いて或る日、その草稿を取上げて見た。なるほど不思議に思われる聖者の伝記だ。以下はそれ。

わたし(S夫人自身のこと)がこの聖者に、憎いほど激しい嫉妬を覚えて、その詮索に附き纏い始めたのは、この自分の部屋で聖者の逸話集を読んだときからだ。