Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうえいふんか
宝永噴火
岡本 かの子
Lesen Sie 宝永噴火 (ほうえいふんか) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.505 Zeichen · 62 Bildschirme
寺には十二人の徒弟が居た。彼等は何れも慧鶴を同僚として愛していた。だけそれだけ彼等は急にそうなった慧鶴に対してひどく反感を持ち始めた。
ある日慧鶴は井戸端で肌着を洗濯して居た。其処へ飛脚が来て肌着に添えた駿河からの母親の手紙を一本と、序とあって橘屋の主人からの手紙一本を慧鶴に届け、水をつるべ桶から飲んで帰って行った。慧鶴は手紙を受取ったとき母親の手紙は肌着を届けたその添状、橘屋のは便りの序の通り一ぺんの問候のものと合点し、母親のを半分読みさしただけで他の一本の手紙は封も披かず一緒に袂へ入れてしまって、なおも洗濯を続けた。彼はすべての動作を機械的に運び心は例の疑問の究明に向って鈍痛を覚えるほど頭の一処は熱く凝らして居た。で、彼は肌着を掛竿で西陽に当てて干し、家の中に戻って朋輩と夕の掃除にかかったときは、手紙の事は全く忘れていた。彼は激しく掃除に立振舞ううち橘屋からの手紙を床に取落したのを朋輩に拾われてもついに気が付かなかったのだった。
朋輩たちは、彼にないしょでその手紙を開いてみた。それは表面だけ父の字に真似て書いた橘屋の娘からの手紙であった。その文面はこの若い女が全く慧鶴を未来の夫と思い定め、自分を離れて遠く起居している青年僧に向って、しきりに寂しさ恋しさをかこつのであった。