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Japanische Klassiker mit Furigana

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じっけんしつのきおく

実験室の記憶

中谷 宇吉郎

Lesen Sie 実験室の記憶 (じっけんしつのきおく) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.440 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

実験台の上にはいろいろな小道具大道具が雑然と積み重なり、戸棚の中はもちろんその上までわけのわからぬ手製の器械でいっぱいになっている。その中をかき分けるようにして、皆が実験をしているのである。雪のような綺麗なものが、こういう所が好きだというのは、随分不思議であるが、結構育つところをみると、案外この環境が適しているのかもしれない、もちろんもっと実験室を整理して、一歩一歩をきちんとリチャードソンの所のようにやって行く方がさらによいのであろう。豚は汚い所が好きなのではなく、清潔な所を脇に作っておくとその方へ行くそうである。

ただ、問題は、こういう雑然とごたごたした実験室が、何故しらぬ間に出来上がったかというところにある。前の毛色の変った明窓浄机とこの雑草の園との差は、結局研究の性質の差なのであろう。雪の場合のように、どこから手をつけていってよいか見当のつかない問題の場合には、普通の人間にはどうしても手探りの研究になる。実験室いっぱいのあの雑多な用途不明の品々はこの雰囲気から生まれ、そしてこの雰囲気を作って来たものなのである。

実験は生きものである。寺田先生がいつか言われたように、ある器械をその精度の極限のところで使う場合には、魚刺で魚をつくような気持でやらねばならないのである。