Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
正太はその意味を読んだ。思わず拳を堅めてペン軸の飛上るほど机をクラわせた。
「橋本君、そりゃ何だネ」と幹部の一人が聞いた。
「こういう訳サ」正太は下口唇を噛みながら笑った。「昨日一人の叔父が電話で出て来いというから、僕が店から帰りがけに寄ったサ。すると、例の一件ネ、あの話が出て、可恐しい御目玉を頂戴した。この叔父の方からも、いずれ何か小言が出る。それを僕は予期していた。果してこんなものを送って寄した」
「何の洒落だい」
「こりゃ、君、僕に……溺死するなという謎だネ」
「意見の仕方にもいろいろ有るナア」
幹部の人達は皆な笑った。
その日、正太は種々な感慨に耽った。不取敢叔父へ宛てて、自分もまた男である、素志を貫かずには置かない、という意味を葉書に認めた。仕事をそこそこにして、横手の格子口から塩瀬の店を出た。細い路地の角のところに、牛乳を温めて売る屋台があった。正太はそれを一合ばかり飲んで、電車で三吉の家の方へ向った。
叔父の顔が見たくて、寄ると、丁度長火鉢の周囲に皆な集っていた。正太は叔父の家で、自分の妻とも落合った。
「正太さん、妙なものが行きましたろう」