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Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

それよりは、働けるものが好く働いて、夫婦して立派なものに成ってくれるのが、何よりですよ」

「私はネ」と正太は叔父の方を見て、「事業と成ると、どんなにでも働けますが――使えば使うだけ、ますます頭脳が冴えて来るんです――唯、こういう人情のことには、実際閉口だ」

「正太もまた、こんなことに凹んで了うようなことじゃ不可」

とお種は健気にも、吾児を励ますように言う。

「ナニ、これしきのことに凹んでたまるもんですか。私の頭脳の中には、今塩瀬の店の運命がある――おまけに明日は晦日という難関を控えている」

こう言って、正太は鋭い眼付をした。

「さアさ」とお種は浴衣の襟を掻合せながら、家中を見廻して、「出来たことは仕方が有りません。とにかく一時頃まで皆なに休んで貰って、三吉と正太には気の毒だが、それからもう一度捜しに行って貰わず。三吉、すこし寝たが可いぞや。老婆もそこで横にお成りや――それにかぎる」

寝ろと言われても、誰も寝られるものは無かった。第一、そういうお種が眠らなかった。すこし横に成って見た人も、何時の間にか起きて、皆なの話に加わった。十二時頃、一同夜食した。

時計が一時を打つ頃、三吉、正太の二人は更に仕度して出掛けることに成った。