Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme
と腹の中で言ってみた。他から見れば最早そんな風に思われるか、とも考えた。彼女は林が戯れて言うとも思えなかった。
部屋へ戻ると、豊世は入替りに出て行った。姑と嫁とが一緒に成って、国の方の話を始めると、必と終には両方で泣いて了う。二人は互に顔を合せているのも苦かった。町へ――漁村へ――近くにある古跡へ――さもなければ隣室に居る家族、その他この温泉宿で懇意に成った浴客の許へ遊びに行くことを勉めて、二人ぎり一緒に居ることはなるべく両方で避けよう避けようとした。
お種は独り横に成った。故郷の家が胸に浮んだ。机がある、洋燈が置いてある、夫はしきりと手紙を書いている……それは前の年のある冬の夜のことで、どうも夫の様子が変に思われたから、一時頃までお種は寝た振をしていたことがあった。やがて夫が手紙を書き終った頃に、むっくと起きて、是非それを読ませよと迫った。未だそんなものを書く気でいるとは、読ませなければ豊世を呼ぶとまで言った。その時、夫がこの手紙だけは許してくれ、そのかわり女のことは思い切る、とお種に誓うように言った……その後、女は東京へ出たとやらで、どうかすると手紙の入った小包が届いた。