Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

「お仙ちゃん、どうしました」こう三吉が縁側のところから聞いた。

お種は三吉の方を振返って見て、「お仙はこれで極く涙脆いぞや。兄さんに何か言われても直に涙が出る……」

その晩、三吉は少量ばかりの酒に酔ったと言って、表座敷の方へ横に成りに行き、嘉助も風呂を貰って入りに裏口の方へ廻った。奥座敷には達雄夫婦二人ぎりと成った。まだ正太は町から帰って来なかった。

お種は立ちがけに、一寸夫の顔を眺めて、「正太もあれで三吉叔父さんとは仲が好いぞなし――叔父さんには何でも話す様子だ」

「そうだろうナア。年齢から言っても、丁度好い友達だからナア」と達雄が答える。

「貴方はどう思わっせるか知らんが……私は三吉の今度来たのが彼の子の為めにも好からずと思って……」

「俺も、まあそう思ってる」

この様な言葉を交換した。不図、お種は洋燈の置いてある方へ寄って、白い、神経質らしい手を腕の辺まで捲って見て、蚤でも逃がしたように坐っていたところを捜す。

「痒い痒いと思ったら、こんなに食いからかいて」とお種は単衣の裾の方を掲げながら捜してみた。

「そうどうも苦にしちゃ、えらい」と達雄は笑った。