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Japanische Klassiker mit Furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.748 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

とお倉はいくらか国訛の残った調子で言った。この嫂は酷く宗蔵を忌嫌っていたが、でも話相手には成る。

「それはそうと、三吉さん」と宗蔵は無感覚に成った右の手を左で癖のように揉みながら、「君の留守に大芝居サ。八王子の方の豪家という触込で、取巻が多勢随いて、兄さんの事業を見に来た男がある。なにしろ、君、触込が触込だから、是方でも、朝晩のように宿舎へ詰めて、話は料理屋でする、見物には案内する、酒だ、芸妓だ――そりゃあもう御機嫌の取るだけ取ったと思い給え。ところが、それが豪家の旦那でも何でもない。散々御取持をさせて置いて、ぷいと引揚げて行って了った。兄さんも不覚だったネ。稲垣まで付いていてサ。加に、君、その旦那を紹介した男が、旅費が無くなったと言って、吾家へ転がり込んで来る……その男は可哀想だとしたところで、旅費まで持たして、発たして遣るなんて……ツ……御話にも何も成りゃしないやね」

「真実に、あんな馬鹿々々しい目に遇ったことは無い――考えたばかりでも業が煎れる」と嫂も言った。

「僕は、君、悪まれ口を利くのも厭だと思うから、黙って見ていたがネ」と宗蔵は病身らしい不安な眼付をして、「この調子で進んで行ったら、小泉の家は今にどうなるだろうと思うよ」