Japanische Klassiker mit Furigana
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とみおかせんせい
富岡先生
国木田 独歩
Lesen Sie 富岡先生 (とみおかせんせい) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.282 Zeichen · 31 Bildschirme
倉蔵はないない様子を知りながら素知らぬ風で問うた。
「老先生の御病気はどうかね?」と校長も又た倉蔵の問に答えないで富岡老人の様子を訊ねた。
「この頃はめっきりお弱りになって始終床にばかり就ていらっしゃるが、別に此処というて悪るい風にも見えねえだ。然し最早長くは有りますめえよ!」と倉蔵は歎息をした。
「ふうん、そうかな、一度見舞に行きたいのだけれど……」と校長の声も様子も沈んで了った。
「お出なされませ、関うもんかね、疳癪まぎれに何言うたて……」
「それもそうだが……お梅さんの様子はどうだね?」と思切って問うた。
「何だかこの頃は始終鬱屈でばかり御座るが、見ていても可哀そうでなんねえ、ほんとに嬢さんは可哀そうだ……」と涙にもろい倉蔵は傍を向いて田甫の方を眺め最早眼をしばだたいている。
「困ったものだナ、先生は相変らず喧ましく言うかね?」
「ナニこの頃は老先生も何だか床の中で半分眠ってばかり居て余り口を用かねえだ」
「妙だねえ」と細川は首をかしげた。
「これまで煩らったことが有ても今度のように元気のないことは無えが、矢張り長くない証であるらしい」
「そうかも知れん!」と細川は眉を顰めた。