Japanische Klassiker mit Furigana
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かんえいあいあいがさ
寛永相合傘
林 不忘
Lesen Sie 寛永相合傘 (かんえいあいあいがさ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.530 Zeichen · 15 Bildschirme
いとど人のこころの落ちつく夜、それに絹糸のような雨が降っているのだ。道行めいた気分がすっかり二人をしんみりさせて、どっちからともなく、気軽に、歩きながらの会話になった。
「降るな。」
「うん。陽気のかわり目だからな。」
「これでずんと暑くなるだろう。」
「暑くなるだろう。」
また黙って二、三歩往く。夜更けだから店の灯りもなく足もとがはっきりしない。
「おい、水たまりがあるぞ。」
「うん。ここはどこだ。」
「芝口だ。」
「芝口か。」
「うん。」
沈黙におちる。風が出てきた。
「貴公、濡れはせぬか。傘をこう――。」
「いやいや。これでよい。それより貴公こそ濡れはせぬか。」
「なんの。」
「よく降るな。」
「よく降るな。」
「ここらの景色――どうだ、城下はずれに似ておるではないか。暗くてよくは見えぬが。」
「さよう。そういえばそうだ。あの、何とかいう稲荷のある――。」
「ぼた餅稲荷であろう。」
「そうそうぼた餅稲荷の森から小川にそうて鼓ヶ原へ抜けようとするあたり、あの辺は何と言ったけな。青柳町ではなし――。」
「青柳町は下で、甲子神社のあるところじゃ。」
「すると、あそこは――。」
「――――」