Japanische Klassiker mit Furigana
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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
Lesen Sie 寺田寅彦随筆集 第五巻 (あひるとさる) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.515 Zeichen · 389 Bildschirme
自分も子供固有の好奇心から何度か祖母に教わったこの糸車で糸を紡ぐまねをした記憶がある。綿を「打った」のを直径約一センチメートル長さ約二十センチメートルの円筒形に丸めたものを左の手の指先でつまんで持っている。その先端の綿の繊維を少しばかり引き出してそれを糸車の紡錘の針の先端に巻きつけておいて、右手で車の取っ手を適当な速度で回すと、つむの針が急速度で回転して綿の繊維の束に撚りをかける。撚りをかけながら左の手を引き退けて行くと、見る見る指頭につまんだ綿の棒の先から細い糸が発生し延びて行く、左の手を伸ばされるだけ伸ばしたところでその手をあげて今できあがっただけの糸を紡錘に通した竹管に巻き取る、そうしておいて再び左手を下げて糸を紡錘の針の先端にからませて撚りをかけながら新たな糸を引き出すのである。大概車の取っ手を三回まわす間に左の手が延び切って数十センチメートルの糸が紡がれ、それを巻き取ってから、また同じ事を繰り返す。そういう操作のために糸車の音に特有なリズムが生ずる。それを昔の人は「ビーン、ビーン、ビーン、ヤ」という言葉で形容した。取っ手の一回転が「ビーン」