Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あひるとさる

寺田寅彦随筆集 第五巻

寺田 寅彦

Lesen Sie 寺田寅彦随筆集 第五巻 (あひるとさる) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.515 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

それでも時々延び上がって一人前らしく羽ばたきのまね事をするのが妙であった。麦笛を吹くような声でピーピーと鳴き立ててはベランダの前へ寄って来て、飯の余りやせんべいの欠けらをねだるのである。それからまた池にはいったと思うとせわしなく水中にもぐり込んでは底の泥をくちばしでせせり歩く。その水中を泳ぐ格好がなかなか滑稽で愛敬があり到底水上では見られぬ異形の小妖精の姿である。鳥の先祖は爬虫だそうであるが、なるほどどこか鰐などの水中を泳ぐ姿に似たところがあるようである。もっとも親鳥がこんな格好をして水中を泳ぎ回ることは、かつて見たことがない。この点ではかえって子供のほうが親よりも多芸であり有能であるとも言われる。親鳥だと、単にちょっと逆立ちをしてしっぽを天に朝しさえすればくちばしが自然に池底に届くのであるが、ひな鳥はこうして全身を没してもぐらないと目的を達しないから、その自然の要求からこうした芸当をするのであろうが、それにしても、水中にもぐっている時間を測ってみるとやはりひな鳥のほうが著しく長い、大概七秒か八秒ほどの間もぐって水底を泳ぎ回っているのに、親鳥のほうはせいぜい三四秒ぐらいでもう頭を上げる。