Japanische Klassiker mit Furigana
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こはるのきつね
小春の狐
泉 鏡花
Lesen Sie 小春の狐 (こはるのきつね) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.102 Zeichen · 27 Bildschirme
割いて爺の口に啖おうではない。――これは稲荷殿へお供物に献ずるじゃ。お目に掛けましての上は、水に放すわいやい。」
と寄せた杖が肩を抽いて、背を円く流を覗いた。
「この魚は強いぞ。……心配をさっしゃるな。」
「お爺さん、失礼ですが、水と山と違いました。」
私も笑った。
「茸だの、松露だのをちっとばかり取りたいのですが、霜こしなんぞは、どの辺にあるでしょう。御存じはありませんか。」
「ほん、ほん。」
と黄饅頭を、点頭のままに動かして、
「茸――松露――それなら探さねば爺にかて分らぬがいやい。おはは、姉さんは土地の人じゃ。若いぱっちりとした目は、爺などより明かじゃ。よう探いてもらわっしゃい。」
「これはお隙づいえ、失礼しました。」
「いや、何の嵩高な……」
「御免。」
「静にござれい。――よう遊べ。」
「どうかしたか、――姉さん、どうした。」
「ああ、可恐い。……勿体ないようで、ありがたいようで、ああ、可恐うございましたわ。」
「…………」
「いまのは、山のお稲荷様か、潟の竜神様でおいでなさいましょう。風のない、うららかな、こんな時にはな、よくこの辺をおあるきなさいますそうですから。