Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつ えんちょう

小説 圓朝

正岡 容

Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

「ド、どういたしまして。何分お願い申します」

嬉しさに小圓太、ドキンと飛び上がった。じっと辛抱していた甲斐があったと、涙ぐましくおもわないわけにはゆかなかった。

……でも、その稽古、師匠のほうからそう口を切ってくれただけで、その日は一日師匠の家にいたけれど、部屋へ閉じ籠って夢中で「梅暦」か何かに読み耽っているらしかった。滅多にでてこず、やっとのびをしながらでてきたときはもう座敷へでかける時刻になっていた。そのまんまいってしまってかえってきたのは九つ近く。すぐ例の酒が始まってそれなりけりとなってしまった。

次の日も「梅暦」で夜も日も明けないらしかった。お神さんにもすすめていっしょに読ませているらしく、昼の食事を運んでいくと机の上にひろげられた一冊の本へ夫婦が鴛鴦のように肩を並べて睦じく目を落としていた。小圓太のほうなんか振り向いてもくれなかった。

灯がつくとまた師匠はお座敷にでかけていった。また遅くかえってきた。また飲んでまた寝てしまった。

その次の日は文楽師匠、馬生師匠、りう馬師匠、他いろいろの人が朝早くからやってきた。そうして運座がはじまった。