Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
「何だえ」
物やわらかな調子で師匠はこちらへ顔を向けてきた。
「あの……きょう……あのすみませんが私に……あの願えませんでしょうかしら」
思い切ってさらにまたいってみた。
「何を願うんだっけなお前に」
けげんそうに師匠は少し口を尖らかした。
「いえ、あの……お稽古なんで」
ちょいと頭を掻く真似を、小圓太はした。
「何のお稽古?」
いよいよ師匠はけげんそうな顔をした。
「いえ、あの、こないだ師匠がおっしゃって下すったんで、お稽古をって」
「だから何の誰の?」
「私のなんで」
もういっぺん思い切ってこういったとき、
「エ、お前の稽古、駄目だよ今日は」
たちまち世にもおっかない顔に変って、
「オイ少し積ってもみてごらん。こんな私がクサクサしてる了見の日にお前の噺の稽古なんかできるものかできないものか。駄目駄目駄目きょうは駄目だよ。きょうはお前、私ァ退屈で困ってるんだもの」
「……」
また次の日とその次の日と座敷がつづいてフイ。もう数え日の二十七日の晩――。
「おい、やって上げますよ。小圓太、今夜は。さあ早く膳を片づけてそこへお坐り。一日延ばしに延ばして勘弁しておくんなさいよ」