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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme

Aozora Bunko

そこへ持って来て、左大臣が好意を示すようになってからは、その感激のせいでつい酒を過し、酩酊してから床に這入るので、なおさらしつッこく手足に絡み着くようにする。それにもう一つ、此の老人の癖は、閨の中の暗いのを厭うて、なるべく燈火をあかるくしたがるのであった。と云うのは、老人は北の方を手を以て愛撫するだけでは足らず、とき/″\一二尺の距離に我が顔を退いて、彼女の美貌を讃嘆するように眺め入ることが好きなので、そのためにはあたりを明るくしておくことが必要なのであった。

「ですが、もうわたしなどは何を着ようと差支えない。あなたこそあの綿や錦を召して下さい」

「それでも大臣は、殿がお風邪を召さぬようにと仰っしゃって、下されましたものを、………」

低い声でしかものを云わない北の方は、耳の遠い老人に分らせることが困難なので、自然夫に対しては言葉数が少く、分けても閨に這入ってからは殆ど無言で通すので、此の夫婦の間では寝物語が交されることはめったになく、大概老人の方がひとりでしゃべりつゞけるのであった。そして北の方はたゞうなずくか、たまに一と言か二た言、老人の耳の端へ口を寄せて、唇が耳朶へ触れるくらいにして云うのであった。