Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme
と云っている。
こう云うと、時平はたゞ向う見ずの、お坊ちゃん育ちの餓鬼大将のようにも取れるが、案外そうでない一面もあって、醍醐帝と此の大臣とが密かに謀って世間の奢りを戒めたと云う話なども伝わっている。それは或る時、時平が帝の定め給うた制を破った華美な装束をして参内したのを、帝が小蔀の隙間から御覧になって急に機嫌を損ぜられ、職事を召されて、「近頃過差の取締がきびしいのに、左大臣たる者がいかに一の人であるとは云え、殊のほかきらびやかな装いをして参るとは怪しからぬ、早々退出するように申し付けよ」と仰せられたので、職事はどうなることやらと案じながら、こわ/″\仰せの趣を伝えると、時平は恐懼措く所を知らず、従者共に先を追わせることをも禁じ、慌てふためいて退出して、以後一箇月ばかりは堅く居館の門を閉じて引籠っていた。たま/\人が訪ねて来ても、「お上の御勘当が重いので」と云って面接せず、御簾の外にも出なかったので、漸く此の事が評判になり、世人が奢りを慎しむようになったが、これは豫め時平が帝としめし合わせてしたことなのであった。
平中が此の時平のところへしば/\伺候したのは、権門に媚びて出世の緒を掴もうと云う世間並な下心もないことはなかったであろうが、一つには此の大臣と兵衛佐とは話の馬が合うせいでもあった。