Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうねんのひのひあい
少年の日の悲哀
小川 未明
Lesen Sie 少年の日の悲哀 (しょうねんのひのひあい) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.186 Zeichen · 9 Bildschirme
その間、三郎は一日としてボンのことを忘れた日はなかったのです。
それから、またしばらくたったある日のことでありました。三郎が我が家から程隔たったところを歩いていますと、ある大きな屋敷がありまして、その門の前を通りますと、門の中で子供らと犬とが遊んでいました。
三郎はふとのぞきますと、なんで自分が一日も忘れなかったほどにかわいがっていたボンを忘れることがありましょう。まさしくその犬はボンでありました。どうして、こんなところにきたろうと不審に思いながら、よく見ていますと、子供らは、たいへんにこの犬をかわいがっていました。三郎は、しばらく立ってこのようすを見ていましたが、ボンは、いまだ三郎を見つけませんでした。そこで三郎は口笛を鳴らしました。すると犬は、この口笛を聞きつけて、急に飛び上がってこっちへ駆けてきました。そして喜んでクンクン泣いて三郎にすがりつきました。三郎はまたうれしさのあまり、犬を抱き上げて犬の毛の中に頬をうずめました。
門の中の子供らは、たいそうこの有り様を見て驚きました。そして、犬の後を追って門のところまで出てきてみますと、もはや犬が外をもふり向かずに三郎についてあっちへゆきかけますので、中にも一人の子供は、しくしく声をたって泣き出しました。