Japanische Klassiker mit Furigana
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あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
Lesen Sie 尾崎士郎短篇集 (あきかぜとはは) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.032 Zeichen · 216 Bildschirme
日本はこれからどうなるかわかりませんよ」
青くひきしまった彼の頬がぴくぴくと顫えた。
「いよいよ」
と多吉は半分あけ放したままになっている表の木戸口を振りかえりながら、「われわれの時代が来ましたよ。――黒幕には丈ちゃんがいるんです、みんな丈ちゃんの立てた計画どおりになって」
落ちつこうとあせればあせるほど声の調子はますますみだれてくる。あとからあとからとこみあげてくる昂奮のために心の平衡をうしなった彼の眼がどうにも収拾のつかないほど湧きかえる空想の焦点を定めかねて戦くように顫えているのを、伍一は半ば気圧されるような思いでしっかりとうけとめながら、
「とにかくあがったらどうかね。そんなところに立っていないで」
「そうしちゃあいられないんですよ、今日一日が勝敗の瀬戸際なんです、いざとなったら僕も一役買って出なくっちゃあ」
「買って出るって――?」
「何も彼も根こそぎに変ってしまうんですよ、ああ何も彼も、とにかくバタバタと事は決ってしまうんですからね」
「まア、それにしても」
と言いながら伍一は玄関の左手にある応接間の扉をあけた。多吉もあとからついてあがって来たが籐椅子によりかかると女中の持ってきた番茶をひと息に飲みほし、