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Japanische Klassiker mit Furigana

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あきかぜとはは

尾崎士郎短篇集

尾崎 士郎

Lesen Sie 尾崎士郎短篇集 (あきかぜとはは) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.032 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

この雰囲気の中では帆上も話相手がないらしく一つのテーブルに陣どってひとりだけしょんぼり頬杖をついていたが、「君か!」と鷺野がなつかしそうに答えると慌てて横の空椅子を片手でずらしながら、

「めずらしいのう、――何年になるか、おれは高垣のおやじと親友なんで誘われてやってきたが、ことによったら君にも会えるかと思ってな」

あたりを憚らぬ大声でハ、ハ、ハ、ハ、と笑いながら彼の手をしっかりとにぎりしめたのである。笑顔には昔のおもかげがかすかに残っていたが、左翼から右翼にうつるとこうも変るものかと思われるほど態度から物の言い方までもがらりと変って今は何処から見ても押しも押されもせぬ憂国の志士であった。

「どうじゃ」

と言いながら帆上佐久良は肩をそびやかした。「いよいよやりおったのう、ひとつ大きなやつをどかんと放してしまえばいいんじゃが」

彼は民衆の冷然として落ちついているのが歯がゆくてならないというかんじでひとわたり会衆の顔を睨めまわした。

「どかんとぶっ放さなくっちゃ駄目だ、それからでないと仕事が出来んわい」

そこへ小柄な品のいい一人の老紳士がちかづいてくると彼は慌てて、「高垣君!」