Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おくじょうのきょうじん

屋上の狂人

菊池 寛

Lesen Sie 屋上の狂人 (おくじょうのきょうじん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.649 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

末次郎 どうしたんです、お父さん。

義助 (きまりわるそうに)ええ。

末次郎 どうしたんです、松葉なんか燻べて。

義太郎 (苦しそうに咳をしていたが、弟を見ると救い主を得たように)末か、お父や吉がよってたかって俺を松葉で燻べるんや。

末次郎 (ちょっと顔色を変えて)お父さん! またこんなばかなことをするんですか。私があれほどいうといたじゃござんせんか。

義助 そやけどもな、あらたかな巫女さんに神さんが乗り移ってな。

末次郎 何をばかなことを。兄さんが理屈がいえんかってそななばかなことをして。

(巫女を尻目にかけながら燃えている松葉を蹴り散らす)

巫女 お待ちなさい。その火は神様の仰せで点いとる火ですぞ。

末次郎 (冷笑しながら踏み消してしまう)……。

義助 (やや語気を変えて)末次郎! 私はな、ちっとも学問がないもんやけにな、学校でようできるお前のいうことはなんでもきいとるけんどな、なんぼなんでも、かりにも神さんの仰せで点けとる火やもの、足蹴にせんかってええやないか。

末次郎 松葉で燻べて何が治るもんですかい。狐を追い出すいうて、人がきいたら笑いますぜ。日本中の神さんが寄って来たとて、風邪一つ治るものじゃありません。