Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やねうらのさんぽしゃ

屋根裏の散歩者

江戸川 乱歩

Lesen Sie 屋根裏の散歩者 (やねうらのさんぽしゃ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.862 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

外の人に」

そして、彼の惚気話は、更らに長々と、止めどもなく続いたことですが、三郎は今、その時の毒薬のことを、計らずも思い出したのです。

「天井の節穴から、毒薬を垂らして、人殺しをする! まあ何という奇想天外な、すばらしい犯罪だろう」

彼は、この妙計に、すっかり有頂天になって了いました。よく考えて見れば、その方法は、如何にもドラマティックな丈け、可能性には乏しいものだということが分るのですが、そして又、何もこんな手数のかかることをしないでも、他にいくらも簡便な殺人法があった筈ですが、異常な思いつきに幻惑させられた彼は、何を考える余裕もないのでした。そして、彼の頭には、ただもうこの計画についての都合のいい理窟ばかりが、次から次へと浮んで来るのです。

先ず薬を盗み出す必要がありました。が、それは訳のないことです。遠藤の部屋を訪ねて話し込んでいれば、その内には、便所へ立つとか何とか、彼が席を外すこともあるでしょう。その暇に、見覚えのある行李から、茶色の小瓶を取出しさえすればいいのです。遠藤は、始終その行李の底を検べている訳ではないのですから、二日や三日で気の附くこともありますまい。