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Japanische Klassiker mit Furigana

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やねうらのさんぽしゃ

屋根裏の散歩者

江戸川 乱歩

Lesen Sie 屋根裏の散歩者 (やねうらのさんぽしゃ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.862 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

尚お都合のよいのは、遠藤は毎晩、キチンと締りをして寝ることでした。入口は勿論、窓にも、中から金具で止めをしてあって、外部からは絶対に這入れないことでした。

さて其日、三郎は非常な忍耐力を以て、顔を見てさえ虫唾の走る遠藤と、長い間雑談を交えました。話の間に、屡々それとなく、殺意をほのめかして、相手を怖がらせてやりたいという、危険極る慾望が起って来るのを、彼はやっとのことで喰止めました。「近い内に、ちっとも証拠の残らない様な方法で、お前を殺してやるのだぞ、お前がそうして、女の様にベチャクチャ喋れるのも、もう長いことではないのだ。今の内、せいぜい喋り溜めて置くがいいよ」三郎は、相手の止めどもなく動く、大ぶりな脣を眺めながら、心の内でそんなことを繰返していました。この男が、間もなく、青ぶくれの死骸になって了うのかと思うと、彼はもう愉快で耐らないのです。

そうして話し込んでいる内に、案の定、遠藤が便所に立って行きました。それはもう、夜の十時頃でもあったでしょうか、三郎は抜目なくあたりに気を配って、硝子窓の外なども十分検べた上、音のしない様に、しかし手早く押入れを開けて、行李の中から、例の薬瓶を探し出しました。