Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やねうらのさんぽしゃ

屋根裏の散歩者

江戸川 乱歩

Lesen Sie 屋根裏の散歩者 (やねうらのさんぽしゃ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.862 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

MORPHINUM HYDROCHLORICUM(o.g.)

多分遠藤が書いたのでしょう。小さいレッテルにはこんな文字が記してあります。彼は以前に薬物学の書物を読んで、莫児比※(「さんずい+(日/工)」、第4水準2-78-60)のことは多少知っていましたけれど、実物にお目にかかるのは今が始めてでした。多分それは鹽酸莫児比※(「さんずい+(日/工)」、第4水準2-78-60)というものなのでしょう。瓶を電燈の前に持って行ってすかして見ますと、小匙に半分もあるかなしの、極く僅かの白い粉が、綺麗にキラリキラリと光っています。一体こんなもので人間が死ぬのか知ら、と不思議に思われる程です。

三郎は、無論、それをはかる様な精密な秤を持っていないので、分量の点は遠藤の言葉を信用して置く外はありませんでしたが、あの時の遠藤の態度口調は、酒に酔っていたとは云え決して出鱈目とは思われません。それにレッテルの数字も、三郎の知っている致死量の、丁度二倍程なのですから、よもや間違いはありますまい。

そこで、彼は瓶を机の上に置いて、側に、用意の砂糖や清水を並べ、薬剤師の様な綿密さで、熱心に調合を始めるのでした。