Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やねうらのさんぽしゃ

屋根裏の散歩者

江戸川 乱歩

Lesen Sie 屋根裏の散歩者 (やねうらのさんぽしゃ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.862 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は様々の犯罪に関する書物を買込んで、毎日毎日それに読み耽るのでした。それらの書物の中には、ポオだとかホフマンだとか、或はガボリオだとかボアゴベだとか、その外色々な探偵小説なども混っていました。「アア世の中には、まだこんな面白いことがあったのか」彼は書物の最終の頁をとじる度毎に、ホッとため息をつきながら、そう思うのでした。そして、出来ることなら、自分も、それらの犯罪物語の主人公の様な、目ざましい、けばけばしい遊戯(?)をやって見たいものだと、大それたことまで考える様になりました。

併し、いかな三郎も、流石に法律上の罪人になること丈けは、どう考えてもいやでした。彼はまだ、両親や、兄弟や、親戚知己などの悲歎や侮辱を無視してまで、楽しみに耽る勇気はないのです。それらの書物によりますと、どの様な巧妙な犯罪でも、必ずどっかに破綻があって、それが犯罪発覚のいと口になり、一生涯警察の眼を逃れているということは、極く僅かの例外を除いては、全く不可能の様に見えます。彼にはただそれが恐しいのでした。彼の不幸は、世の中の凡ての事柄に興味を感じないで、事もあろうに「犯罪」