Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまとゆきのにっき

山と雪の日記

板倉 勝宣

Lesen Sie 山と雪の日記 (やまとゆきのにっき) von 板倉 勝宣 (いたくらかつのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.279 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

焼は少し白く見えた。穂高はほとんど暗かった。いま穂高の上にいたらばと思って、一人でくやしかった。

霞沢岳

頂上は狭い。三角標の下に腰を下ろすと、そこいらのはい松の上で、ぶよのなく声が聞えてくる。日光は、はい松の上にも黄色い花の上にも一面にあたって、そこらの植物は光を迎え、その愛にひたっているように見えた。美わしい美わしい空の下に上高地の谷をへだてて、手のとどきそうなすぐ前に、穂高の雄姿が、岩の襞を一つ一つ、数えられそうに見える。麓からじき上に、緑の草の萌えて見える谷に、Y字形の雪を残して、それから上に、右手には前種高への岩が、はげしい鋭さをもって、ギザギザと頂上まで押し立っている。正面には奥穂高が、黒い岩、雪を光らして、それに続く。この尾根は左へほこを立てたような、いくつかの峰々を越えて、やがて木におおわれた山となって、一番はじに、ぷっくり持ち上った焼岳に終る。焼岳はわが左眼下に、遥かにたたえた濃藍の大正池の岸から、つまみあげられたように、ぷっくり持ち上って、麓から中腹にかけては、美わしいききょう色をして見える。頂上から中腹にかけては、灰色のクリームを頭から注ぎかけたようで、中腹では灰色とききょう色とがとけあっている。