Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまとゆきのにっき

山と雪の日記

板倉 勝宣

Lesen Sie 山と雪の日記 (やまとゆきのにっき) von 板倉 勝宣 (いたくらかつのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.279 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

小林、小池もとより成功の見込みはない。制動法も朽木の倒れ方もジャンプには応用できない。戸田は神妙に傍で滑っている。大変うまくなった。足の方向はあんまり障害にならないようだ。日が傾き出したので帰途についた。途中まできた時にみんなさきに行って、ただ一人になった。彼方の山の雲はオレンジと灰色と紫と様々な色にいろどられた。真白な雪の上に顔を出した笹の葉ずれの音がさらさらと耳に入る。静かな、身をしめるような自然である。自然を眺めているのではない。自然から自分は、はえたようだ。杖をたてて手を口にあてて温めながら、この寂しい、しかも清浄な景に見とれた。今晩はしるこの罐詰にありつけた。こうなると鍋の底までなめる。甘酒とは大変な違いだ。小林は明日帰るので、大きな五色せんべいをあつらえて土産にする。そのついでにサイダーを飲んで干物をやいて火鉢をかこんで食った。

十二月三十日。小林は昨夜大眼鏡をわったので、みんなが飯を食う時分にもまだ床の中でしょげている。やっと坊城が普通の眼鏡を貸したので床を出た。この眼鏡だとだいぶ人間に近づいて見える。人間らしいまでにはまだ行かない。