Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Lesen Sie 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 284.014 Zeichen · 565 Bildschirme
いつか中村君や南日君と初めて劒岳へ登った時、前の日に別山の頂上から双眼鏡で眺めて、「あの偃松の側を登ってから如何するんだろう、彼処までは登れるがなあ」などと話し合っていたことを思い出す、南日君も同じようなことを考えていたと見えて、「ねえ君、中村がいると面白いんだがなあ」と言い出した。話が枝から枝へと花が咲いて、梅沢君、高野君、辻村君、辻本君、小島君――などの噂が始まる。そこへ荷持の連中が登って来た、「オーイ、瀑があるぞ」と怒鳴る、雪の上に立ち直って三人とも荷をゆり上げながら一斉にこっちを見上げて、笑い出した。それで私達も安心した。身勝手なようではあるが此場合彼等にムズカシイ顔は見せて貰いたくなかったのだ。
愈々恐ろしい舞台の方へ足を向ける。雪はもう薄くなって二、三尺の厚さしかない、知らずに中央を歩いていた私は片足を股まで蹈み抜いて、危く落ち込みそうになった体を杖を横に倒して支えた。雪が尽ると白根葵の咲いている黒土の斜面を少し登って大岩の根方に取り付く。目で練習した岩登りは足でやる段になると、畳の上の水練よりも役に立たない、目測では二、三尺にしか見えなかった階段の高さも五、六尺はあるようだ。