Japanische Klassiker mit Furigana
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Lesen Sie 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 284.014 Zeichen · 565 Bildschirme
危険を冒して瀑と向い合っているザラザラの急斜面を攀じ登れば、旨く瀑の上へ出られるにしても、横を搦んで遡行することは容易な仕事ではない。二升四合の米ではとても遣り切れないと腹の中でそろそろ逃げ支度にかかりながら、顔だけは平気を装って、オイ如何すると聞いて見る。如何するったってこれじゃ仕様がないよと返辞が此方の思う壺だ。そこで、これから上が全部この通りと仮定すると、京沢の小屋まで行くに二日は懸ると見なければなるまいから、西沢は断念して釜沢へ入ることにしよう、そして甲武信岳へ登って栃本へ下ろうではないかと正直な所を白状する。午後十二時三十分に出発して一時四十分頃また西沢の落口に戻って来た。往復一時間許りを費した訳である。この翌年の五月天科村の広瀬庄太郎を案内者として同じく釜沢を登った冠君の書面に拠ると、西沢も遡れぬことはないそうである。他にも参考になる事が少なくないから茲に其文を引用することにする。
御庇を以て東沢の新緑美を昧ひ候段深く御礼申上候。然る処釜沢の上流にて、不覚にも沢一つ右へ入り、木賊山の頂に登り申候。人夫は釜沢の途中迄しか入りしことなく、小生の地図の見方の悪かりしと、霧深く候ひし為とにて、この間違ひを生じたる事と存じ候。