Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やまぶき

山吹

泉 鏡花

Lesen Sie 山吹 (やまぶき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.366 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

余所の家内でございます。連戻されるほどでしたら、どこの隅にも入れましょうが、このままでは身の置処がありません。――溝川に死ちた鯉の、あの浅ましさを見ますにつけ、死んだ身体の醜さは、こうなるものと存じましても、やっぱり毒を飲むか、身を投げるか、自殺を覚悟していました。ただお煩さの余りでも、「こんな姿になるだけは、堅く止める。」と、おっしゃいました。……あの先刻のお一言で、私は死ぬのだけは止めましてございます。

先生、――私は、唯今では、名ばかりの貧乏華族、小糸川の家内でございますが。

画家 ああ子爵でおいでなさる。

夫人 何ですか、もう……――あの、貴方、……前は、貴方が、西洋からお帰り時分、よく、お夥間と御贔屓を遊ばして、いらしって下さいました、日本橋の……(うっとりと更に画家の顔を見る)――お忘れでございますか、お料理の、ゆかりの娘の、縫ですわ。

画家 ああ、そうですか。お縫さん……お妹さんの方ですね。綺麗なお嬢さんがおいでなさるという事を、時々風説に聞きました。

夫人 (はかなそうに)ええ、先生は、寒い時寒い、と言うほど以上には、お耳には留まらなかったでございましょう。