Japanische Klassiker mit Furigana
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やまぶき
山吹
泉 鏡花
Lesen Sie 山吹 (やまぶき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.366 Zeichen · 34 Bildschirme
夫人 何か私に望んでおくれ。どうも私は気が済まない。
人形使 この上の望と申せば、まだ一度も、もう三度も、御折檻、御打擲を願いたいばかりでござります。
夫人 そして、それから。
人形使 はあ、その上の願と申せば、この身体が粉々になりますまで、朝に晩に、毎日毎夜、お美しい奥方様の折檻を受けたいばかりでござります。――はや酔も覚めました。もう世迷言も申しますまい。――昼は遠慮がござりますが、真夜中は、狸、獺、化ものも同然に、とがめ人のござりませぬ、独鈷の湯へ浸ります嬉しさに、たつ野の木賃に巣をくって、しばらくこの山道を修善寺へ通いましたが――今日かぎり下田街道をどこへなと流れます。雲と水と申したけれど、天の川と溝の流れと分れましては、もはやお姿は影も映りますまい。お二方様とも、万代お栄えなされまし。――静御前様、へいへいお供をいたします。
夫人 お待ちなさい、爺さん。(決意を示し、衣紋を正す)私がお前と、その溝川へ流れ込んで、十年も百年も、お前のその朝晩の望みを叶えて上げましょう。
人形使 ややや。(声に出さず、顔色のみ。)
夫人 先生、――私は家出をいたしました。