Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
やまうらきよまろ
山浦清麿
吉川 英治
Lesen Sie 山浦清麿 (やまうらきよまろ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.573 Zeichen · 91 Bildschirme
二
――余りそう精をつめても、体の毒であろに』
体――母にそういわれると、真雄は、自分だけの体とは思えなかった。
『や、すみませんな。では、戴きましょう』
手桶の水で、ざっと、手を洗って、休み部屋へ、腰かけた。
『今、かかっている仕事は、誰方様のお刀じゃの』
『松代藩のお寺社奉行、山寺源太夫様の御注文でござります。他ならぬ柘植様のお口添えで、素人鍛冶のわたくしなどには、身に過ぎた御下命と、冥加に存じて、玉鋼から、吟味に吟味を致しておるのです』
『まあ、そうかの』
と、母は欣しそうに、歯の抜けた口に、雪菜の一茎を入れて、もぐもぐ唇をうごかしていたが、真雄の顔つきの好いのを見て、そっと云い出した。
『又かと、うるさく思わっしゃろが、弟の環のう、もう、養子先の家を出てしもうた事じゃに。……何とか、怺えて、もいちど家へ入れて下さらぬか。そなたも慥乎りした相鎚の打ち人がないと、常々、云い暮している折ではあるし……。真雄よ何うじゃな?』
二
長国寺の噂は、松代から、四、五里しかない赤岩村へは、すぐ聞えてきた。
それから間もなく、環が、養子先の長岡家から、飛出してしまったという噂が、大石村から、近郷に伝わった。