Japanische Klassiker mit Furigana
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しまのくれがたのはなし
島の暮れ方の話
小川 未明
Lesen Sie 島の暮れ方の話 (しまのくれがたのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.109 Zeichen · 5 Bildschirme
「あなたは、旅のお人ですね。」といいました。
「そうです。」と、旅人は答えました。
女は、すこしばかり、ためらってみえましたが、
「わたしは、どうせあちらの方までゆきますから、そこまで、ごいっしょにまいりましょう。」といいました。
旅人は、「どうぞそうお願いいたします。」と頼みました。そして、二人は、道を歩きかけたときに、旅人は、女を振り向いて、
「あの家は、あなたのお住まいではないのですか?」とききました。すると、女はやさしい声で、
「いいえ、なんであれがわたしの家なものですか。今日はわたしの二人の子供たちが、遊びに出て、まだ帰ってきませんから、迎えに出たのです。すると、あの家の壁板に、去年いなくなった、わたしの妹の着物に似たのがかかっていましたので、ついぼんやりと思案に暮れていたのでございます。」と、女は答えました。
旅人は、不思議なことを聞くものだと驚いて、美しい女の横顔をしみじみと見守りました。ちょうど、そのとき、あちらから、
「お母さん!」
「お母さん!」
といって、二人のかわいらしい子供が駆けてきました。女は、喜んで、二人の子供を自分の胸に抱きました。