Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あらし

嵐

島崎 藤村

Lesen Sie 嵐 (あらし) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.007 Zeichen · 108 Bildschirme

Aozora Bunko

次郎は私のほうをもながめながら、

「こうして見ると、とうさんの肩の幅はずいぶん広いな。」

「そりゃ、そうさ。」と私は言った。「ここまでしのいで来たのも、この肩だもの。」

「僕らを四人も背負って来たか。」

次郎は笑った。

間もなく飯のしたくができた。私たちは婆やのつくってくれた簡単な食事についた。

「きょうは下町のほうへ行って洋食でもおごってもらえるのかと思った。」

そういう次郎はあてがはずれたように、「なあんだ」と、言わないばかりの顔つきであった。

「用達に行くんじゃないか。そんな遊びに行くんじゃあるまいし。まあとうさんについて来てごらんよ。へたな洋食などより、もっといい事があるから。」

その時になって、私は初めて分配のことを簡単に二人の子供に話したが、次郎も末子も半信半疑の顔つきであった。

自動車は坂の上に待っていた。私たちは、家の前の石段から坂の下の通りへ出、崖のように勾配の急な路についてその細い坂を上った。砂利が敷いてあってよけいに歩きにくい。私は坂の途中であとから登って来る娘のほうを振り返って見て、また路を踏んで行った。こうして親子三人のものが一緒にそろって出かけるというは、それだけでも私には楽しかった。