Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あらし
嵐
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐 (あらし) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.007 Zeichen · 108 Bildschirme
私は自分の身につけるよりも、今度の思いがけない収入を延び行く時代のもののほうに向けようと考えるようになった。
私は自分に言った。
「いっそ、あの金は子供に分けよう。」
二階はひっそりとしていた。私が階下の四畳半にいて聞くと、時々次郎の話し声がする。末子の笑う声も聞こえて来る。美術書生を兄に持った末子は、肖像の手本としてよくそういうふうに頼まれる。次郎の画作に余念のなかった時だ。
やがて末子は二階から降りて来た。梯子段の下のところで、ちょっと私に笑って見せた。
「きょうは眠くなっちゃった。」
「春先だからね。」
と、私も笑って、手本で疲れたらしい娘を慰めようとした。
間もなく次郎も一枚の習作を手にして降りて来た。次郎は描いたばかりの妹の肖像を私の部屋に持って来て、見やすいところに置いて見せた。
「とうさん。これは、どう。」
「おそろしく鼻の高い娘ができたね。」
「そんなにこの鼻は高く見えるかなあ。」
「冗談だよ。とうさんがふざけて言ったんだよ。そんなことは、どうでもいいじゃないか。どんなものを造り出そうと、お前たちの勝手だからね。」
画布はまだかわかない。新しい絵の具はぬれたように光る。