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Japanische Klassiker mit Furigana

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かわばたやなぎ

川端柳

豊島 与志雄

Lesen Sie 川端柳 (かわばたやなぎ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.612 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

そこまでいくと、もう抵抗出来ない。何か偶然の障碍が起らない限りは、彼はそのダイヤの指輪を盗む。

そういう話を聞いた時、これは面白いと私は思った。それが頭に残ってたせいかどうか……不思議な夢をみた。

或る晩、Aという老人がひょっこりやって来た。大黒帽を被って、柄頭に鳩の彫刻のついている杖をついて、白い粗髯をなでる癖のある、普通に云えば剽軽なよく云えば脱俗的な老人である。その老人が、玄関につっ立って、皮肉なような擽ったいような笑顔で、にこにこしている。――(と、これからは夢物語である。)

「どうしたんです。」と私は尋ねた。

「なにね、いま万引をしてきたんだよ。」

「万引。」

「ああ、面白かったよ。だが、一寸危いと思うんだが……。」

私はあたりを見廻した。誰もいない。玄関が夕方のように妙に薄暗い。気がついてみると、老人は変に憂欝な顔笑をしている。

「じゃ一緒に行きましょうか。」

そして私達はこっそり家を出た。

何処へ行くつもりか、それは分らなかったが、老人は鳩の柄の杖をついて、ことりことりと飄逸な足取りで歩いてゆく。私もそれに歩調を合して、軽快に足を運んだ。

長い間、薄暗い裏町を通った。