Japanische Klassiker mit Furigana
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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
Lesen Sie 差別の根源を考える (ぞくほうしこう) von 喜田 貞吉 (きたさだきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 147.985 Zeichen · 289 Bildschirme
今日では明治以来の文明のありがたい御代のお蔭で、よしや大きな天災がありましても、なんとか治まりがついて参りますが、昔は決してそうではありませんでした。先年の関東大震火災の際の如きも、手当てが早く行き届きましたから、気の毒な罹災者もたいていは復興の途につくことができましたが、あれがもし昔の時代に起ったとしたらどうであったでありましょう。身になんら犯した罪も過ちもあるではなく、ただ不可抗力の天災というだけの原因で、一時に数十万人の気の毒な落伍者ができたのでした。富者も、貧者も、学者も、無教育者も、商工業者も、労働者も、みな一斉に衣食住のすべてを奪われたのでした。もしこの際において、交通通信の機関が今日のように整っているのでなかったならば、ああ早く罹災者を急に地方へ送り出すこともできなければ、地方から食物衣服を送って来ることもそう急には運びません。急設のバラックもああはできますまい。幸いにして焼死圧死を免れたものも、喰うに食なく、着るに衣なく、住むに家がないという大騒ぎで、無事であったものでもたちまち食物に窮します。かくて多数のものは飢え死にしましょうが、一方には掠奪が始まりましょう。