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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくまついしんかいこだん

幕末維新懐古談

高村 光雲

Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.159 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

商売用の葛籠の蓋を引っくり返して、その中へ銭をバラで抛り込んで置く。そんな投げやりなことをして好いのかと私は心配をして父に注意すると、

「何、これが一番だ。入れ物などに入れて置いては、際をねらって掠って行かれてしまう、こうして置けば奪ろうたって奪れやしない」

と、自分の経験を話したりして、なかなか巧者なものである。師匠の店で彫り物ばかりしている私にはなかなか珍しく感じました。

さて、夜が明けて当日になると、昼間はなかなか声が出せない。黙って店にぼんやりしているようなことではいけないので、何んでも縁喜で、威勢がよくなくっちゃならないのですから、呼び声を立てないといけない。それがなかなか私などには出来ません。

しかし、何時までも迷惑な顔をしておどおどしていれば何時まで経っても声は出ない。思い切ってやればやれるものでこういう処へ出れば、また自然その気になるものか、半日もやっていると、そういうことも平気になるのはおかしなものです。

当日の夜はまた一層の人出で、八時から九時頃にかけて出盛る。今日のように社の前を電車が通ってはおりません。両方がずっと田圃で、田の畷を伝って、畷とも道ともつかない小逕を無数の人影がうようよしている。