Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lesen Sie 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) von 高村 光雲 (たかむらこううん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.213 Zeichen · 7 Bildschirme
のことで、甚だ心悦ばしい。と合田氏は大変によろこんでくれますので、私も日頃の念が届きやっと肩の荷を卸した気になったことであった。
しかるに、この合田氏も貧乏では余り引けを取らぬ方で……元来、今申す通りの性格の人であるから金持ちでありようがない。それで家計の都合が悪い所から随分大事にしてあった右の白衣観音を質に入れました。これは後に私が知ったことであるが、そういうことになった。もっとも売ったのではありません。今に都合が好くなり次第受け出すつもりで合田氏は一時手離したのでありましょうがその中に合田氏は病気で亡くなりました。永眠の際も及ばずながらお世話もしたような次第で、墓は千住の大橋で誓願寺にあって、今日とても時々墓参をしている次第であるが……月日は何時か経って三十余年を過ぎ、当時の知人朋友も亡くなって行く中、彼の観音はめぐりめぐって去年の秋のこと、或る人が箱書をしてくれといって持って来た作を見ると、それが合田氏に贈ったその観音でありました。
私は、どうも、亡くなった子にでも逢ったような気持で、懐かしくそれを眺めたことで、私の作に相違ない旨を箱書して持ち主に戻しましたが、何んでも持ち主は千五百円とかで手に入れたのだそうであります。