Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふくにくらしたふたり
幸福に暮らした二人
小川 未明
Lesen Sie 幸福に暮らした二人 (こうふくにくらしたふたり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.713 Zeichen · 12 Bildschirme
あれを胸のあたりに下げていたら、いちばん偉い人間になれるのだ。」という考えを、みんなは頭の中にもったのであります。そうして、いままでよりか、みんなに一つ欲望が増したので、いつか、この光る銀貨のために争いが起こらなければならなく思われたのでした。
「ほんとうに、いつこの光る大事な品を盗まれるかしれないから、油断はできないぞ。」と、甲と乙とはいい合って、二人は、それを大事に守っていました。
二人は、ほかにだれもいないときに、銀貨を取り出して見入っていました。すると、遠い、港の街や、空や、丘や、木立の影が、ありありと夢のように、記憶に浮かんでくるのでした。もう、二度とは見られなくなった、遠い、遠い、かなたの国の景色であります。そして、おじいさんがつえをついてきて、二人に、この光るものを投げていった有り様が、なお昨日のように念頭に思い出されるのでありました。二人は、そのことを思うと、うっとりとして、心は青い、青い、海を越えてかなたに憧れたのであります。
「これは、命よりも大事なものだぞ。」と、二人はいい合って、おたがいの心をいましめました。
部落にはもう一人強い男がありました。