Japanische Klassiker mit Furigana
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げんじゅつてんまたろう
幻術天魔太郎
野村 胡堂
Lesen Sie 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.616 Zeichen · 90 Bildschirme
仕置場あらし
「よし、よし、すくってやるぞ。心外道人、たしかにおまえの兄の駿河太郎のいのちをひきうけた。私はもはや浮世を絶った物外心外の世すて人だが、駿河大納言のわすれがたみときいては捨ておきがたい。私もむかしは、すこしばかりゆかりがある」
「道人さま、それは本当でしょうか? ありがとうございます、道人さま」
心外道人は白衣のまま、ひざのチリをはらって立あがると、月子はもう、飛びあがってそのせんとうに立ったのです。
穴の外へでて日ざしをみるともう昼ちかいようす、駿河太郎のいのちは風前のともしびです。
「さあ、いそぐのだ」
白衣の道人と花のような乙女は、鈴ガ森までとぶのでした。
仕置場あらし
駿河太郎はこのとき十六歳で将軍家光のいのちをねらう、世にもたくましい心の持主に似ず、見たところは、まことに花のような美少年でした。
それがはだか馬にのせられ、鈴ガ森の仕置場にひきだされて、きょうま昼を合図に、はりつけ柱のうえにおしあげられ、さび槍に命をおとさなければならないのです。
はだか馬にのせられた駿河太郎は、伝馬町の牢屋から、鈴ガ森まで引かれました。
いつもならば、くわしく罪状をかいた高札をおったてて、諸人への見せしめに、江戸の町まちをひきまわすのですが、将軍の命をねらった曲者とは、さすがにかけなかったので、その高札も省略しました