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Japanische Klassiker mit Furigana

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げんじゅつてんまたろう

幻術天魔太郎

野村 胡堂

Lesen Sie 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.616 Zeichen · 90 Bildschirme

Aozora Bunko

が、もしや仲間のものがあって、囚人をさらわないともかぎらないと思ったか、はだか馬をとりかこんだ警戒はおそろしく厳重で、町まちの野次馬も、うっかりそばへはよりつけそうもありません。

でも、将軍家光のいのちをねらった曲者のしおきといううわさは、早くも江戸じゅうにつたわったので、見物の群衆は、道の両がわをうずめましたが、馬上、高手小手にいましめられた、前髪だちの美少年の顔をみると、人びとはおもわずどよみをうって、涙にぬれた人の顔が、波のようにゆれたのもむりのないことでした。

駿河太郎は見識のある少年でした。将軍のいのちをねらうのに、けっして小どろぼうのようなふうはせず、曙染のりっぱな小袖、精好の袴、青じろい顔をキッとおこして、天地に恥じぬ面だましいは、まことに、美玉のようにきよらかで、後光がさしそうな威厳があったのです。

鈴ガ森の仕置場には、十三間四方の竹矢来をむすび、そのまん中におっ立てたはりつけ柱には、息をつぐ間もなく、駿河太郎をしばりあげました。竹矢来のそとは十重二十重に、数千数百の群衆が、おもわずワーッと悲嘆の声をあげましたが、つづいて警固の役人のどなる声と、頭上にひらめく槍と刀のおどかしにキモをつぶして、水をうったようにしずまりかえります。