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Japanische Klassiker mit Furigana

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げんだん

幻談・観画談 他三篇

幸田 露伴

Lesen Sie 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 80.544 Zeichen · 161 Bildschirme

Aozora Bunko

よくっても鮒だから。せっかく此処へ来たんだけれどもネエ。

と失望した口ぶりには、よくよく鮒を得たくない意で胸が一パイになっているのを現わしていた。

どうもお前の竿では、わんどの内側しか釣れないのだから。

と慰めてやった。わんどとは水の彎曲した半円形をいうのだ。が、かえってそれは少年に慰めにはならずに決定的に失望を与えたことになったのを気づいた途端に、予の竿先は強く動いた。自分はもう少年には構っていられなくなった。竿を手にして、一心に魚のシメ込を候った。魚は式の如くにやがて喰総めた。こっちは合せた。むこうは抵抗した。竿は月の如くになった。綸は鉄線の如くになった。水面に小波は立った。次いでまた水の綾が乱れた。しかし終に魚は狂い疲れた。その白い平を見せる段になってとうとうこっちへ引寄せられた。その時予の後にあって網を何時か手にしていた少年は機敏に突とその魚を撈った。

魚は言うほどもないフクコであったが、秋下りのことであるし、育ちの好いのであったから、二人の膳に上すに十分足りるものであった。少年は今はもう羨みの色よりも、ただ少年らしい無邪気の喜色に溢れて、頬を染め目を輝かして、如何にも男の児らしい美しさを現わしていた。