Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいせんのひみつ
幽霊船の秘密
海野 十三
Lesen Sie 幽霊船の秘密 (ゆうれいせんのひみつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.846 Zeichen · 62 Bildschirme
じゃあ、今にあの船は、騒ぎだすだろう。おいみんな、油断するな」
船長は声をはげましていった。だが、ボートから撃たれた怪船は、しーんとしずまりかえって、今や前方をすーっと通りすぎてゆく。
「これはへんだな」と、船長は小首をかしげた。船長の考えでは、小銃でうたれたのだからいくら寝坊でも甲板へとびあがってきて、こっちへむいて騒ぐだろうと思ったのに、それがすっかりあてはずれになった。彼は思いきって、次の決心をしなければならなかった。
「おい、貝谷居るか」
「はい、居りますよ。もっと撃ちますか」
「うん、撃て。私が号令をかけるごとに一発ずつ撃って見ろ。狙いどころは、さっきとおなじところだ」
「よし。ではいいか。一発撃て!」
どーんと、はげしい銃声だ。弾丸はかーんと船腹にあたってまたちかっと火花がでた。だが青白い怪船は、やはり林のようにしずかであった。
「もう一発だ。撃て!」
そうして三発の弾丸を空しくつかいはたして、なんの手応えもなかった。
幽霊船か、そうでないか。――たしかに鉄板の張ってある船らしいが、誰も出てこないとはどうしたわけだ。
そのうちに、怪船は船足をはやめて、ボート隊から全く見えなくなってしまった。