Japanische Klassiker mit Furigana
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いくどめかのさいご
幾度目かの最期
久坂 葉子
Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.103 Zeichen · 121 Bildschirme
そうして未婚であることもわかった。山の上の家は遠い親類で、身寄りがないためそこに居候しているのだということもわかった。
玄関のベルが鳴ると私も姉もとんで出る。そして私はウィスキイをグラスに注いで応接間へ持って行く。彼は酒も煙草も非常によくたしなむのだ。けれど、やめようと決心すればいつでもやめるという意志の強い人だった。一息に飲みほして平然としている。注射をしてもらうと暫く話をする。話と云っても、こちらの問いにぽつぽつ応えてくれるぐらいのことで、決して先に口をひらいてくれることはなかった。
「兵隊ですか。海南島に三年いてこの四月に復員したんです。帰ったら両親ともに死んでおり、家も焼かれ、ひとりぼっちだったんです」「学校は京都、あの頃はたのしいでした」
いつも真白な開襟シャツは殆ど毎日かえられているように襟に皺一つよっておらず、折目正しいズボンをつけており神経質なことを物語っていた。彼自身そう云っており、注射針の消毒や器具のあつかいは非常な注意を払っていた。
或る日、桃を出した時、かわをむくのに、スーッスーッと音をたてて一度もとぎれずにきれいにむき終えた。