Japanische Klassiker mit Furigana
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いくどめかのさいご
幾度目かの最期
久坂 葉子
Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.103 Zeichen · 121 Bildschirme
私は又、原稿のつづきをかきました。鉄路のほとりから再び電話、また少し遅くなるからとのことでした。私は、六時から、レコード何を注文してもいいので、ブラームス四番を注文しました。このシンフォニーは、私が、一番好きなシンフォニーでした。さて、店の女の子が長時間をかけはじめようとし、私はペンをおき目をつぶりました。ところが最初の絃の八小節がかからなかったのです。針のおき具合がわるかったのでしょう。もう私は、気がいらいらして、全曲終る迄、殆どきいてませんでした。不愉快な曲だとさえ思った位です。ブラームスが終り、私の原稿も終りました。次はフィガロの結婚がかかりはじめました。その頃、鉄路のほとりがやって来たのです。私は、むかいの席にすわった彼を、静かなまなざしで見上げることが出来なかった。私の黒部行の気持と、彼への愛情いや愛着とが、ものすごいスピードで頭の中をまわります。黒部行の気持のはたらきは、彼に真実を訴えようとすることの他に、一切の日常事からはなれたかった理由があります。家庭のこと。そうです。私はもう、家庭でのジェスチュアをつづけることが不可能になって来ていたのです。