Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.103 Zeichen · 121 Bildschirme

Aozora Bunko

別れることはつろうございました。でも、はなれなければ、私の感情が、あの人を殺してしまうでしょう。

さあ、部屋へはいってよろしゅうございますか。もう決して出ません。出ないことを御ちかいします」

女は、語り終えた。

「おはいり」

女は静かに障子をあけた。中には誰もいなかった。

「ありがとうございます」

女はそれからまもなく、剃刀で命を絶った。

四人の女と一人の男が手紙をよんだ。

「わたくしは阿難と申す女でございます。あなたの最愛の人を奪ったのでございます。わたくしは、その人を夫と呼んで十年も同棲いたしておりました。今日まで。しかし、わたくしは、悪魔の招きにさそわれました。わたくしは、悪魔にかしずくことを約束いたしました。夫をおかえしいたします」

その男は誰のところへもゆかなかった。そして悪魔の招きに応じたのであった。

(昭和二七年作、「久坂葉子研究」1号、昭和五四年一一月)