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Japanische Klassiker mit Furigana

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いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

Lesen Sie 幾度目かの最期 (いくどめかのさいご) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.103 Zeichen · 121 Bildschirme

Aozora Bunko

自然をまねて、自然以上のものをつくろうってこと。出来る筈ないのに。

諏訪子 ……、あなたの云うことわからなくなったわ。

マネキン 芸術に限ったことじゃない。それそれ、さっき、大事な御主人に電話かけたりして。

諏訪子 ええかけたわ、それが。

マネキン 何故かけたか、よく考えてみて。

諏訪子 …………

マネキン 不安になったからなんだわ。

諏訪子 …………

マネキン 人間って、ちっちゃなことで、ガタガタしちゃうのね。

諏訪子 ガタガタ? 私こわれちゃいないわ。

マネキン こわれかけよ。

諏訪子 どこがこわれているの。

マネキン どこもかも。こわれていないのは、あなたの肉体だけよ。

諏訪子 肉体以外のどこもかも?

マネキン そうよ。デザイナーだったということからして、こわれかかった存在よ。

諏訪子 デザイナー。私はデザイナーよ。ものをつくり出す人よ。

マネキン そんなにちがいないわ。だけど、およそ、つまらない一つの職業だわ。人間のうちでよ。

諏訪子 いいえ、神聖な職業よ、デザイナーは、芸術家よ。神聖ですとも。

マネキン 神聖?

諏訪子 そうよ。天分がなきゃ出来ないんですものね。

マネキン 天分。