Japanische Klassiker mit Furigana
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ふっかつさい
復活祭
久生 十蘭
Lesen Sie 復活祭 (ふっかつさい) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.018 Zeichen · 23 Bildschirme
富士山を刺繍した衝立がダム・ウェーターの穴を隠すためで、マントルピースの上の壁に石版刷の応挙の鷹の絵がかかり、輸出物のあくどい色をした九谷焼の花瓶があり、薄端へ※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)けた馬蘭に埃が白くたまっていたのがはっきりと印象に残っている。そういうわびしい風景の中に、身なりだけはいい本職のバクチウチが七、八人、退屈そうにテーブルに頬杖をついて客を待っている。小原東城もそのなかにいた。
母に肩を押されながらホールへ入ると、小原がすらりと椅子から立ってきて、
「よう、来たね」
といいながら、ゾッとするような美しい手をさしだした。
友達と手をひきあったことはいくどもあるが、握手というものはこれがはじめてだった。かいつぶりのいる沼のそばで育った十二歳の少女には、他人の手は、心やすくも親しげにも、そうやすやすと握れるものではなかった。小原の手は美しすぎ、鶴代の手よりはるかに白かった。さしだされた手は宙に浮いたまま、いつまでも鶴代の手を待っている。握らないわけにもいかないので、温かいほっそりした手を鶴代は目まいがするような気持で握った。